『ピコーン!』漫画 青山景 原作 舞城王太郎小学館 1200円
評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆★★(星八個)
内容
新現代文学の名手、舞城王太郎の原作を青山景が漫画化。
内容は短編集『熊の場所』から「ピコーン!」・『みんな元気』から「スクールアタック・シンドローム」の二編を漫画化したもの。
紹介
たまたま、古本屋で見つけて立ち読みしてみたら、とても感動した。
なぜかっていうと、読んだ人ならわかると思うけど、あの舞城の小説をどうやって漫画化するんだろうと疑問に思っていたからだ。
しかし、蓋を開けてみれば、なんら違和感ないものとして仕上がっていた。舞城の小説を読んだときと同じような雰囲気が楽しめますよ。
むしろ、少し舞城氏の文体が合わないという方にお奨めしてもよいかも。
とても、わかりやすく表現されています。少し特異な文体に埋もれ気味のテーマが、明確になっていますね。
舞城氏が苦手な方もこれを読めば少し見方が変わるんじゃないかな。
舞城フリークの方もこれは違和感ないと思いますよ。
というのも、舞城の文体がしっかり出ています。地の文ではしっかりと雰囲気が出ていますからね。
いいことか悪いことかは人それぞれですが、この漫画は舞城王太郎という力が全然消えていません。
青山景氏がぴったり合っているということかもしれませんが。
僕の読んだ感じだと、舞城氏の小説を漫画化というよりも、とても挿絵の多い舞城の小説といった感じです。
なんにしても、ここまで上手く漫画化したのは素晴らしいと思います。
青山氏の漫画も読んでみたいと思います。天晴れ。
『阿修羅ガール』 舞城 王太郎 著評価 7
ストーリー
今どきの女子高生アイコが、つまらないSEXによって自尊心を失い、自分を取り戻すために昔抱いていた金田への恋心を思い出す。しかし、周りでは殺人・リンチ・誘拐などが起こり、世界は混沌の時代を迎える。アイコの現実世界と脳内世界を忠実に描き、混沌としながらもさわやかにまとまる作品。アイコは何を見て、何を得たのか?
2003年三島由紀夫賞受賞作品!!
以下、書評です。↓(未読のかたは遠慮してください)
『好き好き大好き超愛してる』舞城 王太郎評価 7(十段階)
メフィスト賞にてデビューし、03年三島由紀夫賞を受賞した覆面作家舞城王太郎の作品。一時は芥川賞(直木賞?)の候補になり、話題になったことで知っている人も多いかもしれない。
この作品は、表題作と「ドリルホール・イン・マイ・ブレイン」の2作からなっている。
個人的に表題作のほうがおもしろかった。作家と死に直面している一見ありきたりに見える話である。そして現実と小説のリアルさが交差しているラブストーリー。一見、恋愛を描いていないように見えても、テーマは一貫して愛である。
この作品で彼の小説への姿勢が少し、窺えたような気がする。
この人の作品は人の夢を読んでいるような気がするが、それが顕著に現れている作品だと思う。夢って結構むちゃくちゃですよね?でもフロイト?に言わせると夢はなんらかの意味があるみたい。舞城氏の夢もしっかり意味はあります。夢を書いているだけではありません。
デビュー作でもある奈津川シリーズの「煙か土か食い物」より失踪感はあまりないです。
でも下手な恋愛小説よりずっとおもしろい。今、ブーム(?)となっているありきたりな純愛に嫌悪感を抱いている人はこれをお勧めします。舞城氏を読んだことがない人もこれをまず読んでみたらどうですか?
本領発揮ともいえるドリルホールのほうも一緒にあるから一石二鳥。
あと舞城氏はイラストも書いています。絵のことはさっぱりわかりませんが、彼(彼女?)らしい絵です。
ドリルホールはあえて何も言いません。最初のインパクトを味わってほしいから(笑)
舞城氏の作品は失踪感はとてもあるがゆえに、改行が極端に少ないのでテンポが合わないかも
しれませんが、それもこの人の作品の特徴です。
舞城王太郎氏を未読の初心者にお勧めの一品。

