『ルパンの消息』 横山 秀夫 著評価 7(十段階)処女作としてなら9かな。
今回は横山秀夫氏の幻の処女作『ルパンの消息』を紹介したいと思います。
この本は光文社創立60周年記念特別として刊行されました。
一本のタレ込みによって事件は幕を開ける。
15年前に自殺として処理された女性教師の墜落死は、実は殺人事件だった!
犯人は当時の男子高校生3人!?時効まで24時間。
話は女性教師の死と絡み合う「ルパン作戦」に遡っていく。
そして、あの昭和の大事件「3億円事件」との関係は!?
拙いですが、あらすじはこんな感じです。
僕は横山氏の本は他に2,3冊読んでいるのですが、今となってはこの本を読む前に
何冊か読んでいて良かったなと思います。
この帯を見て横山氏を初めて読もうと思う方がいると思います。
でも、それはあまりお勧めしません。(余計なお世話ですが・・・)
僕のお勧めとしては他のクライマーズ・ハイや半落ち・影の季節など、
他の作品を読んでからこれを手に取ったほうがいいと思います。
そうすれば、処女作としてこの本を味わえると思います。要するに他の著作と比較すれば、おもしろいと思います。
このルパンは処女作であるがゆえに作者の情熱がたくさん込められてます。
正直、シンプルでないし、余計なストーリーを入れすぎなのではと思います。
複眼的ミステリーと、帯には書いてありましたが、少し詰め込みすぎなのでは?と個人的に思いました。
しかし、処女作品としてはすごく楽しめます。一人一人のキャラに味をもたせ、でかいテーマ(3億円事件)と絡ませる。この意気込みが充分に伝わります。
処女作品にしか出せない味が出ています。
正直言って、クライマーズ・ハイや半落ちには横山氏特有の泥臭い熱さの点ではまだまだかなと思いますし、現場の緊迫感やスピード感はやや不足かなと思います。
処女作品でないとしたら、そこまで評価されないと個人的には思います。
だからこそ、これを手に取る人には処女作品としての良さを味わってほしいと思います。(個人的にクライマーズ・ハイがお勧めです)

