『赤朽葉家の伝説』 桜庭 一樹東京創元社 1700円
評価 ☆☆☆☆☆☆☆★★★(星7個)
あらすじ
「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。――千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。
高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。2006年を締め括る著者の新たなる代表作、桜庭一樹はここまで凄かった!
紹介
3代に渡る名家の伝記を、3代目の主人公が書くといった形式ですが、とても読みやすく、二段構成の文章でもそれほど苦労することなく読めます。
また、時代背景も色濃く描写しており、ビートルズや三種の神器など、日本史をうまく使っています。3章構成で、祖母・母・主人公という分け方になっています。その繋ぎ目を果たすのが時代性というものであり、その時代が移ろい変わっていくことで、流れがスムーズに理解できた点がとても良かった。
この家の歴史は女性の変遷を描き、都市と地方の関係を表し、そして今の現代人間の思いを浮かび上がらせています。
気になった点は、この小説ってミステリーなんですかね?
別にそういう区分は必要ないんですが、一応謎があり、解決もするんです。でもこれが果たして主人公を描く上で必要だったかなと思うと少し僕は疑問でした。
レーベルも東京創元社なので、最初読んでいるときはびっくりしましたね。いつミステリーになるんだろう?って笑
余計な詮索でした。
架空の伝記ものですが、とても変わっているし、同時に馴染みのある小説でした。
結構幅広い年齢層に受け入れられるんじゃないかなと思います。

