『首無の如き祟るもの』 三津田 信三 著評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★(星9個)
あらすじ
一族の安寧を祈る祭りの最中に双子の妹が首のない死体となって発見される。それが連鎖するかのように連続首無し殺人事件となって、山間の村を恐怖に陥れた。茫然自失の驚愕トリック!シリーズ最高峰!
紹介
ミステリという以上、内容には気をつけなければいけないので、どうしても表面的にさらっと
紹介せざるおえません。
感想だけで言えば、とてもすごいミステリだという感じです。でもそれだけじゃ、伝わらない
ので、もう少し詳しく。
あらすじを見たら、あの横溝氏のような怪奇があるのか?と思われそうですが、実際は
どうでしょうか?
恥ずかしながら横溝氏の作品を読んだことがないので比較できませんが、この首無は
あくまで怪奇ものを題材にした本格的なミステリーだと僕は思います。
十人十色なのかもしれませんが、どうも怪しげな雰囲気が感じられないんです。
人物の会話や情景描写がどうも説明口調だし、閉鎖的な村の感じがありません。だから、横溝風なものを期待すればがっくりしてしまうかも…。あくまで飾りという印象を受けました。
まぁ、横溝作品を知らない僕が言うのも馬鹿なことかもしれませんが、ただ、怪奇ものというだけで比較するのは少々安易すぎるのではという印象もあります。他のミステリ作家にもさんざん使われていますしね。それとも、著者が横溝氏を意識しているという風に言っているのかな?
話を戻しますが、その飾りを付けている核の部分が、素晴らしいトリックなんですよ。
別に真新しいというわけではないのですが、バランス良く織り交ぜて融合している部分が素晴らしい。メタトリックもこれだけだと、個人的に馬鹿らしく感じるのですが、丁度良い具合に織り込まれてます。
評価の星9個はこの部分で9個です。いや、まだまだミステリーは頑張れると思いました。
首無は去年の本ですからね。この時勢にこれほど喜ばせるトリックがまた表れると思うと
ウキウキします。
だから、ミステリー好きやトリックを味わいたい方には大推薦。もしくは本格ミステリーってどんな感じ?と思う方にはお奨めしたい。
要は、横溝さんのような怪奇幻想が好きな方は京極夏彦さんがまだ合うのでは?と
思うし、純粋なミステリーを楽しみたい方にはこの作品をお奨めしたい。
ただ、三津田氏は他のシリーズもあるのでそちらはもっと雰囲気が出た作品かもしれません。
未読なので確かなことはいえませんが、そちらを読むと合う可能性もありますね。
ものすごく偏見に満ちた意見ですが、僕はミステリーっていうのは読んでると作者の騙してやろうみたいな意図が感じられるのがミステリーだと思ってます。
だから、この作品はそれを感じたのでそこを推しました。
なかなか読者を選んでしまうかもしれませんが、去年出たミステリー作品の傑作だと僕は思います。実際、本格ミステリーBEST10の二位ですしね。
あとは少し僕のヒトリゴト。

