『冷たい校舎の時は止まる』 辻村 深月 著評価 6
あらすじ
雪の振る日、学校に登校した8人の高校生が校舎に閉じ込められる。そして時間が止まる。なぜ僕らだけなのか?なぜ校舎に閉じ込められたのか?彼らは学園祭の最終日に起きた自殺事件に関連があることを突き止める。しかし、自殺した人物の名が思い出せない。この校舎から出る方法は一体何なのか?そしてなぜこうなったのか?
八人のそれぞれが描く青春長編ミステリー!!
書評
僕はこれが辻村氏の二番目に読んだ作品なのですが、かなり異色のミステリーかなと思います。心理描写もしっかりしていて、キャラクターがそれぞれ際立っています。少し、キャラが少女マンガのような感じはしましたが。
なによりもリアリティを感じたのはいじめの部分と女性の心理描写。とても詳しくいやらしく怖く書いていました。女性のいじめって一般的に卑劣だといわれていますが、なかなかリアルで怖かったです(笑)
文章の構成もうまい具合に書いています。ずっと同じ場面なので、少しダレタ頃に過去の話が入ってくるので読みやすかった。
もう少しコンパクトにしても良かったかなと思う。しかし、そこは3分冊ということもあって長く感じませんでした。
ただ少し気になった点が。
この主人公は作者自身のような気がしてならなかった。悲劇のヒロインみたいな感じがしました。小説と作家があまりリンクしすぎるのは僕は好きじゃないです。第二作で最初に感じたのですが、この作品を読んでさらに顕著に感じました。
自分は弱くてかよわい存在。周りには魅力あふれる男性がいて、ライバルの女性がいるみたいな。
僕の気にしすぎかな。でもここまで強く感じたのは気のせいではないような、、、。
ただ、メフィスト賞を獲っただけあっておもしろいですよ。さっき挙げた点も個人の好き嫌いの問題だと思うし。
しっかりと謎が提起されていて、その謎をとくために過去が明かされていく。心理描写含めキャラクターもしっかりと独立しています。独特の世界観もあり、校舎の雰囲気も出ている。文章構成も上手く、3分冊で手軽に読めます。
少し、伏線がどこにあったのかなという感じはしましたが、これは単に自分が気付いていないだけかも。
辻村氏を読むなら、まず僕はこれがお勧めです。
良かったら次の『子どもたちは夜と遊ぶ』を読んでみてください。
個人的にはこれが好きです。
『阿修羅ガール』 舞城 王太郎 著評価 7
ストーリー
今どきの女子高生アイコが、つまらないSEXによって自尊心を失い、自分を取り戻すために昔抱いていた金田への恋心を思い出す。しかし、周りでは殺人・リンチ・誘拐などが起こり、世界は混沌の時代を迎える。アイコの現実世界と脳内世界を忠実に描き、混沌としながらもさわやかにまとまる作品。アイコは何を見て、何を得たのか?
2003年三島由紀夫賞受賞作品!!
以下、書評です。↓(未読のかたは遠慮してください)

