G.T.T.B.A.M.

Aarchive 『2007年02』

この日記を読んで僕の考えを改めさせられました。

MORILOG ACADEMYから。

最初の頃から僕の本を読んでくれている読者は、「この頃、森博嗣は薄い」と言うだろう。ちなみに、「まえの作品を読んでいないとわかりにくい」とも言うかもしれない。しかし、大半の読者は、今の薄い本から手に取るわけで、そういう方からは、「昔の本は2段組で読みにくい」とときどき言われる。また、「これ(昔の本)を最初に読んだ人たちは、意味がわからなかったのではないか」と心配される。
 ようするに、どんな順番で読もうが、自分が知った順番がその人の歴史になるだけのことだ。忘れられるものもあるけれど、情報はしだいに増え、積み重なる。この、だんだん情報が多くなることを、「わかってくる」というのである。「四季」から読んだ人は「F」をサブストーリィだと認識する。客観的にはそちらが正しい認識だろう。
 自分が基準である。それはまちがいない。そして、その基準が他人には適用できないことを、きっと作る側は知っている。知っていないと、書いたものが商品にならない。読者は一人ではないからだ。でも、受ける側は知らなくても良い。読むときはいつも作者も読者も一人だ。ここの差は感じるところである。



2月16日の日記から引用。


やっぱり、森博嗣の講談社シリーズを読むときはS&Mからと思っていたんですが、それはどうやら間違いだったようです。
たしかに、主軸となるストーリーは人それぞれ違いますもんね。

今のgシリーズから参加の人はこれが主軸になるんだろうし。
どこから読んでも楽しめるようにしないとビジネスにならないか。

てっきり僕は端から順番に組み立てているように勘違いしていました。

本当はパズルみたいに、できる部分を組み立てているだけで、まだ全体像でさえ、理解していないということでしょう。

まぁ、個人的にはやはり昔のシリーズが好きなんですが…。

まだ読んでいない方は楽しいと思いますよ。
個人的には、「すべてがFになる」「笑わない数学者」「幻惑の死と使途」「有限の微小のパン」ですかね。
yoiti『夜市』 恒川 光太郎


評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆(星8個)


あらすじ
何でも売っている夜市というものがある。それこそ、形のないものまで。主人公の祐司は幼い頃に、夜市で野球の才能を買った。代金は弟自身だった。
甲子園にも出場したが、罪悪感に苛まれ、堕ちていく。
そして、祐司は友人であるいずみを誘い、夜市へ行く。弟を買い戻すために。その先にある未来は…。
書き下ろし作品『風の古道』を収録
第12回日本ホラー小説大賞受賞作


書評
最初に目に付いたのは、すごくシンプルな文体だということ。
パッと見た感じでは、普通の文章なんですが、読んでみるとガラッと雰囲気は変わりました。
その一見普通な文章は、無駄な部分が削ぎ落とされて、「洗練」された文章なのです。
読み始めて、すぐにその世界に引き込まれてしまいました。洗練された文章から、雰囲気がプンプンと匂ってくるのです。
静で、暗く冷たい雰囲気がこんなに少ない文字から出てくるとは衝撃でしたね。

本を読んでいる部屋がその小説の世界に入っていくような感じです。
どっぷりはまるということはこういう感じではないですか?

もちろん、ストーリーも申し分なく面白いものです。
ですが、私はたった80ページにしかならないこの小説に秘められたパワーにやられました。

評価の星8個はこの本一冊の評価です。
『風の古道』も大変面白かったのですが、どうしても『夜市』の影に隠れてしまう印象でした。この二作のバランスがいまいちだったので星一個減らしました。あとは、次の期待も込めて辛めにもう一個減らしました。
夜市だけなら、申し分ないんですが。

期待のホープなので、これからが楽しみです。
まだ未読の方も良かったらどうぞ。
「太陽の簒奪者」『太陽の簒奪者』 野尻 抱介


評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(星10個)


あらすじ
2006年、天文部の白石亜紀は、水星から突如、太陽へと突き出す物体を発見する。それはやがて太陽の周りに集まり、なんと太陽のリングを作ってしまう。リングによって、地球への太陽の光が減少してしまい、このままでは地球が破滅する!?
このリングは何のために作られたのか?リングを作った者の正体は?地球はどうなるのか?
人類救済のために白石はリング破壊へ向かう。そこで起きた衝撃の事実。そして葛藤。果たして、未来は…?

星雲賞、ベストSF2002年の一位などを受賞。


書評

久しぶりの星10個ですね!
最近、ミステリーを少しやめて、SFを読みはじめました。
ハードSFとしては初めての作品です。

最高に面白かった!と一言で済ますことも可能ですが…

この作品は、やはりストーリーがとても魅力的ですね。
SF物は設定がSFなだけで中身は青春や愛や戦争の悲劇などをテーマにしたものがあるんですが(ガンダムが典型的だと思います)、これはその設定自体に魅力があります。
異星文明と出会うことという意味を考える契機ともなるでしょう。

まさにSFならではの楽しみがあるということです。

さらに初心者の僕でもわかりやすく読めました。言葉に専門用語などが使われていますが、読んでいるうちにわかってきます。
普段読書をされるかたなら大丈夫でしょう。

この本で初めてSFの面白さを知ったような気分です。

ある意味、SFって最高にロマンチックな物語だと思います。
夢があり、それを読者に魅せてくれます。


タイトルも生かしてます。読み終われば、さらに意味がわかるでしょう。

文句なしの星10個。
SFへ入る良い出会いになりました。
良かったらどうぞ。
mori-g.i-ta『ηなのに夢のよう』 森 博嗣


評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆ (星8個)

あらすじ
今回は奇妙な首吊り自殺。10Mの高さの木で首を吊る事件が起こる。この事件には「η(イータ)なのに夢のよう」というメッセージが置かれていた。さらに、自殺と思われる事件が相次ぐ。共通点は奇妙なメッセージ。この一連の出来事の背後には、あの天才真賀田四季がいる?!
そして、過去のあの大事件にも四季が関わっていた!!

読者を放さない、gシリーズの転換点!


書評

もうここで紹介する必要もないぐらい著名な作品です。シリーズとしては6作目です。ここまで挙げなかったのは、どうしても評価しにくかったからです。
しかし!今回は違います。昔からのファンの興味をまだまだ惹き付ける作品となっております。そして、これは憶測ですが、このシリーズから入った人は、前のシリーズへの興味をそそられるのではないでしょうか?

過去のあの事件と四季との関係。さらに、S&M、Vシリーズのキャラクタ(←森氏っぽい?)が出てきます!是非前のシリーズが好きな方や興味を持った方は読んでみてください!

ただ、事件の謎の解明などは前のシリーズとほとんど変わりません。前を読んでいる方はなんとなくわかるでしょう。それでも6作目ともなってくれば、少しずつですが、背景が見えてきたような気がします。

きっと、森氏は最後にやってくれるでしょう。森氏はいつ作家をやめるかが大体わかっておられるようです。つまり、それまでにしっかり終わらせてくれるはずです。(変な理屈ですが…)

このシリーズから入った方やまだ未読の方がどのようにこの本を読むかわかりませんが、是非過去の謎に興味を持てば前の作品を読んでください。とても面白い小説が待っていますよ。


森氏は、一冊でも十分楽しめるし、どこから読んでもかまわないと主張しています。僕もそう思います。
しかし、僕は、一冊だけでなく他の作品も読んでいけば、それ以上の楽しみがあると思いますよ。とくに今回のシリーズは最後どうなるかを期待しています。

映画館で『どろろ』を観ました。

暇つぶしだったので、何でも良かったんですが、タイミングが合ったのがコレだったので。

感想はまぁまぁといった感じです。
発想なんかは面白いんですけど、いまひとつ映画の魅力に欠ける感じです。

たぶん原作のほうが面白いのではないかと思いました。

この映画の魅力って何でしょう…。とくにこれといって無いような気がするのは僕だけ?
アクションも中途半端だし、少しコメディもあるし、最後の戦いはもう言葉に表せないぐらいボーっと観てました。

どれもが平均的なところが魅力でもあり、欠点でもあったという感じですね!

次にDVDで『ハチミツとクローバー』を観ました。

原作を読んだ方はわかると思いますが、ただの良い所を寄せ集めただけでしたね。キャストは雰囲気出てましたが、脚本がダメだったという印象です。

とくに蒼井優なんかはハマリ役だったのに…。真山と森田役は少し違いましたが、映画オリジナルとして観ればアリだったと思います。

ただ、脚本がダメなせいで全部台無しになりましたね。
原作の名シーンをツギハギして2時間に収めただけ。
これだから、メディアミックスは失敗が多い気がします。
2時間で出来るだけの量にしたらいいのに…。

でも原作読まずに観た人は少し興味が沸くかも。
是非原作に行ってみると良いですね。素晴らしい漫画ですから。

あと、アニメも素晴らしいです。しっかりと雰囲気も出てるし、
声優さんもばっちりだと思います。

唯一、映画ハチクロでときめいたのは、西田尚美さん演じるリカさんぐらいかな。まぁ、単に好きなだけですが。


全体的にいまいちな二作でした。ションボリするね…

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