G.T.T.B.A.M.

Aarchive 『2007年09』

siina-souko.jpg『武装島田倉庫』 椎名 誠


評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(満点)

概要
時はおそらく近未来。ある「戦後」の国境地帯。街や道路は破壊され、油泥にまみれた海には、異態進化した獰猛な生物が蠢く。
混沌としたこの世界に、組織略奪団や「北政府」と呼ばれる謎の勢力と闘いながら、たくましく生きる男たちがいた。頼れるものは、自らの肉体と才覚のみ―。異様だが、どこかノスタルジックな世界を、独特の言語感覚で描きだしたシーナ・ワールドの真骨頂。

感想
正直、この本を紹介しようか迷っていた。
というのも、どう紹介したらいいかわからなかったから。何がどのように面白いかうまく説明できない。でも、間違いなく僕のなかで傑作です。

この本はほとんど説明がない。この小説独特の専門用語が出てくるんだけど全部無説明。そして、テーマ性もわからない。読者を突き放した作品。
しかし、どのくらいの人かわからないけれど、この異形の世界に引き込まれると思う。
最初から何の導入もなく、異次元に読者を放り込む。
そして、わけのわからない語句や人間でいて現実世界とは少しずれた人間の会話に必死に耳を傾け、この世界を感じようとした。

おそらく、近未来。なにかしら戦争があって、世界は崩壊している。
最初はそれぐらいしか、わからない。しかし、圧倒的に突き放した文章はその世界を表す、理解させる唯一の接点となっている。

何かこの現実世界とは少しズレた次元に飛び込んだ感じである。
しかし、いつだって物語の主人公は導入部分なんてない。説明だってない。

この現実でさえ、生まれる前にこの世界はこういうものだからなんて説明は
ないだろう。

この小説もそうである。いきなり飛び込むのだ。突き放されようが、その世界を必死に感じ取ろうとする。
この小説に主人公はないけれど、まさに読者こそが主人公になりえると思う。

是非ともこの世界に飛び込んで欲しい。

ai『アイの物語』 山本 弘 著


評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(満点)


あらすじ
数百年後の未来、機械に支配された地上で出会ったひとりの青年と美しきアンドロイド。
機械を憎む青年にアンドロイドが囁く、「物語から、この美しい世界は生まれたのよ」と。彼女が語り始めた、世界の本当の姿とは?
彼女が語る物語にヒトとAIの愛の歴史がある。その歴史は、人間同士の愛のように拒絶や依存そして、愛情が刻まれている。

『SFが読みたい! 2007年版』 国内SF第2位
『本の雑誌』2007年1月号〈本の雑誌が選ぶ2006年度ベスト10〉第3位
〈2006年度SFベスト10〉(鏡明)第3位
〈2006年度エンターテインメントベスト10〉(北上次郎)第2位

書評
SFを普段読まない方や僕のように読み出した方にお奨めの一品です。
『神は沈黙せず』のほうもお奨めなんですが、少し根気が必要だと思うのでこちらを紹介。
内容は連作短編集と言ってもよいでしょう。美しいアンドロイドが青年に話す7つの物語。
それはすべてヒトとAIの物語です。その物語を青年に話し終えたときに、7つの物語の意味や伝わらないAIの思いが浮き彫りになります。

一気に読めなくとも一つ一つ区切りながら読んでも素晴らしい作品です。
青年と同じように、一日に一つよんで、寝る前にその話を吟味するのもまた一興でしょう。

この現代でさえ、人工知能は一般レベルで興味のある話題だと思いませんか?
それこそ、本当に感情をもてるのか?あるいは人工知能はどの時点でAIと
定義されるのか?そして、もし感情というようなものを持ったら、彼らは
この世界をどのように感じ、接していくのか?

などふと疑問に思う方は是非読んでみてください。
もちろん、その答えが書いてあるわけではありません。しかし、その考えのきっかけやヒントになることでしょう。

そして、なによりもAIによって浮かび上がる人間の醜さや愛情の深さがとても印象的です。
あくまでAIの物語ですが、ヒトが作ったという「人工」である以上、ヒトとAIの関係は断ち切れません。

たぶん、読む人は青年と同化することになるでしょう。
青年は読者的視点に立っています。そして、その青年の立場になって物語を聞き終えたときに素晴らしい気持ちに浸れると思います。

活字が連なり、物語が紡ぎ、感情を浮かび上がらせる。

小説の面白さがあじわえる作品だと思います。
少し、難しい言葉もありますが問題はないと思う。
むしろ、何度も読める小説。話一つ一つのテーマが異なるので、
あなたの人生経験などによって好きな物語は変わってくるでしょう。

是非とも読んでみてください。

こんにちは。
また二週間もあけてしまってすみません。

書評も全然出来なくて、前読んだものから紹介しようとがんばっています。
まだ書けていませんが、明日か明後日には。

話変わりまして、
ついに
ハンター×ハンター連載再開!
ですね!

十月からだそうです。ファンの方は買って、ジャンプに必要ありというところを
見せ付けてやりましょう。

もう隔月でもいいから続けて欲しいですね〜。
「僕たちの冒険はまだまだ続く!」って感じで急に結末を迎えませんように…。

話はまた変わりまして
アクセスカウンターがもう4000突破しました!
いやぁ、誰だか知りませんがありがとうございます。

しかし、最近悪い知らせを聞きました。
このアクセスカウンターは過疎ブログには向いていないらしいのです。
つまり、シビアに数字が出ているために過疎ブログと判断されてリピーターが
つかないらしい…。

最低でも一日100ぐらい回ってないと意味がないとか
自ら人気のないブログだと言い触らしているようなもんだとか
色々聞きました。

まぁ、僕の場合自分の覚書も兼ねているし、一日10でも回ればいいかと
思っているのではずさず頑張ります。
なかなか感想だけでなく、誰かに伝えようという姿勢で本の紹介なんかをしてい
ると、表現の難しさや自分の言葉で伝える楽しさなんかもあるので。

これ読んでみたら?っていうだけならいくらでも挙げられるんだけどなぁ。
今年中に10000は回したいので頑張ります。みなさんも協力よろしく!

  • 記事一覧
  • RSS
home

プロフィール

Rachels(レイチェル)

Author:Rachels(レイチェル)
主に本(ミステリやSF等)の紹介や書評をしているブログです。
コメント&TB大歓迎!!
(記事に関連していれば自由にしてください!!)

詳しくはカテゴリのAbout meへ

にほんブログ村 本ブログへ
【ほんぶろ】〜本ブログのリンク集



最近のコメント

  • rai:文庫の背表紙どれが好き? (06/04)
  • raiou:1000回記念 劇場版『名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)』見所紹介! (04/08)
  • rachels:伏見稲荷大社の千本鳥居 (04/04)
  • raiou:伏見稲荷大社の千本鳥居 (04/02)
  • raiou:妖精 (03/18)
  • rachels:今日の江神さん (03/15)
  • rai:今日の江神さん (03/12)

リンク

  • Theater "Raiou"
  • もみじの本屋さん
  • 【ほんぶろ】〜本ブログのリンク集
  • 管理者ページ

Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ

最近の記事

  • 買う予定 (06/27)
  • 『あなたの人生の物語』 テッド・チャン 著 (06/26)
  • サッカーも盛り上がってる。 (06/14)

最近のトラックバック

  • SF・ホラーの感想:φは壊れたね (08/20)
  • ミステリー館へようこそ: (08/07)
  • 黒猫の隠れ処:帝都衛星軌道/島田荘司 (04/12)
  • 『小説なんでも大事典』:『ハードSF』について (02/25)
  • 本読み日記:裸者と裸者 上巻 (01/22)

月別アーカイブ

  • 2008年06月 (6)
  • 2008年05月 (5)
  • 2008年04月 (4)
  • 2008年03月 (3)
  • 2008年02月 (4)
  • 2008年01月 (2)
  • 2007年12月 (6)
  • 2007年11月 (2)
  • 2007年10月 (3)
  • 2007年09月 (3)
  • 2007年08月 (3)
  • 2007年06月 (6)
  • 2007年05月 (8)
  • 2007年04月 (6)
  • 2007年03月 (13)
  • 2007年02月 (5)
  • 2007年01月 (4)
  • 2006年12月 (1)
  • 2006年09月 (1)
  • 2006年08月 (3)
  • 2006年06月 (2)
  • 2006年05月 (4)
  • 2006年04月 (2)
  • 2006年03月 (5)
  • 2006年02月 (4)
  • 2006年01月 (11)
  • 2005年12月 (7)
  • 2005年11月 (2)
  • 2005年10月 (8)
  • 2005年06月 (7)
  • 2005年04月 (1)

カテゴリー

  • About me (2)
  • カウンターn回記念企画 (3)
  • 日記 (36)
  • ニュース (2)
  • 書籍 (17)
  • 映画 (5)
  • 合同プロジェクト (2)
  • ★★ア行の作家一覧★★ (1)
  • 伊坂 幸太郎 (3)
  • 石崎 幸二 (1)
  • 石持 浅海 (4)
  • 打海 文三 (7)
  • 冲方 丁 (2)
  • 小川 一水 (2)
  • 乙一 (2)
  • 恩田 陸 (1)
  • ★★カ行の作家一覧★★ (1)
  • 加納 朋子 (2)
  • 神山 裕右 (1)
  • ★★サ行の作家一覧★★ (1)
  • 桜庭 一樹 (1)
  • 椎名 誠 (1)
  • 重松 清 (1)
  • 島田 荘司 (4)
  • 菅 浩江 (2)
  • ★★タ行の作家一覧★★ (1)
  • 辻村 深月 (2)
  • 恒川 光太郎 (1)
  • テッド・チャン (1)
  • 飛 浩隆 (2)
  • ★★ナ行の作家一覧★★ (1)
  • 西尾 維新 (1)
  • 野尻 抱介 (1)
  • ★★ハ行の作家一覧★★ (1)
  • 畠中 恵 (1)
  • 東川 篤哉 (1)
  • 平山 夢明 (1)
  • 広瀬 正 (1)
  • 古川 日出男 (1)
  • 古野 まほろ (1)
  • ★★マ行の作家一覧★★ (1)
  • 舞城 王太郎 (3)
  • イアン・R・マクラウド (1)
  • 三津田 信三 (1)
  • 森 博嗣 (1)
  • 森見 登美彦 (4)
  • ★★ヤ行の作家一覧★★ (1)
  • 山本 弘 (2)
  • 横山 秀夫 (1)
  • 吉本 ばなな (2)
  • 米澤 穂信 (1)
  • 輪渡 颯介 (1)
  • その他 (1)

Copyright (c) 2007 G.T.T.B.A.M. all rights reserved.

p_space_w design by フォトノート

ホームページ アフィリエイト レンタルサーバーFC2ブログ 専門学校