『天涯の砦』 小川一水 著2008-02-24(Sun)
『天涯の砦』 小川一水 著評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆★★(星8個)
あらすじ
地球と月を中継する軌道ステーション〈望天〉で起こった破滅的な大事故。虚空へと吹き飛ばされた残骸と月往還船〈わかたけ〉からなる構造体は、真空に晒された無数の死体とともに漂流を開始する。だが、隔離されたわずかな気密区画には数人の生存者がいた。
空気ダクトによる声だけの接触を通して生存への道を探る彼らであったが、やがて構造体は大気圏内への突入軌道にあることが判明する……。真空という敵との絶望的な闘いの果てに、“天涯の砦”を待ち受けているものとは? 期待の俊英が満を持して放つ極限の人間ドラマ。
紹介
極限の状況下で、めぐる人間ドラマを本格SFを舞台に描いた作品。
もともとジュブナイル向けを書いていた実績もあるので、きちんとキャラクターや展開に労力を割いていて、SFを知らない方にもお奨めです。
もちろん、なぜ事故が起こったのか?や地球と月の関係などはしっかりとSFで構成されています。
この世界は、21世紀末の時代を描いているのですでに月に移住している人がいます。その月にすむ人と地球にいる人との緊張関係も関わってくる。この部分が結末に繋がるのですが、それ以外は生死をかけた人間ドラマが中心です。
事故に巻き込まれた人たちなんですが、すごく人間臭くて魅力的です。
みんなで力を合わせて頑張ろうという風にはならないのが良い。みんなそれぞれ思惑があって、摩擦するのが素晴らしい。
ひねくれた高校生も出ます。こんな状況でこいつらと一緒なんて嫌だなぁと思いながら読んでました。
大人のほうも、人生長いせいで色々な傷を背負っていて魅力的です。そんな大人同士が一緒に生きようとすることで、影響されて成長していく過程が素晴らしい。
映画の『アポロ13』とか好きな方にお奨めしたい。『アルマゲドン』の宇宙でのシーンもこんな緊張感があった気がするな〜。
是非どうぞ。
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