『帝都衛星軌道』 島田 荘司 著2006-08-28(Mon)
『帝都衛星軌道』 島田 荘司 著評価 ☆☆☆☆☆ (星10個中)
あらすじ
物語は一つの誘拐事件から始まる。身代金は15万円。犯人の不可解な意図がわからないまま、お金と人質を交換することになる。人質の母親が向かう。その先に起こった不可解な謎の連続!
範囲5kmのトランシーヴァーで犯人はどこから母親に指示をしていたのか??警察にしっかりとマークされた状態でどうやって犯人は母親と接触したのか??事件の裏に潜んでいた真相とは??東京という町の謎とは??
メフィストで連載された『帝都衛星軌道』の間に、『ジャングルの虫たち』を挟んだ長編ミステリー!
書評
正直言って、インパクトがありませんでした。画像でもわかるとおり、作者自ら自信作と言った割には…と言った感じです。
もしかしたら、島田荘司氏がやりたいようにやれたという意味で自信作なのかもしれません。
まず、不満だったのが、島田氏が熱中している死刑論や冤罪などのテーマが主題的になりすぎているところ。このテーマのためだけにとって付けたような誘拐事件の物語やトリックを用意したような気がします。
馬鹿な例えをするなら、お菓子の野球チップス。カード(テーマ)があってこその、チップス(小説)がある感じです。
ただ、これは人の好みによるでしょう。僕としては、トリックなどのミステリやエンターテイメントの要素を重視するので、今回は不満だったのです。テーマに興味ある方なんかは楽しめると思います。
もちろん、そういうテーマが嫌いなわけではありません。別に共感するわけではないですが。ただ、こういうテーマをするならエッセイなんかを書けばいいわけで。
小説を書くなら、もっとミステリ感に溢れ、エンターテイメントな作品を書いてほしいとファンとしては思うわけでして。
そういった意味では今回の作品は、ミステリとしても貧相なものです。東京という都市論に関しても。前作の『摩天楼の怪人』のニューヨークを舞台した作品のほうがはるかに面白かった!似たようなテーマですが、御手洗シリーズということもあってか、前作の素晴らしさを超えるものではありませんでした。
『帝都衛星軌道』は冤罪や死刑などのテーマを利用した小説というより、ミステリやトリックを利用して、テーマを語るエッセイという印象を持ちました。
ただ、しっかりとした作品です。ミステリとしても十分な作品だと思います。ストーリーもしっかりとあるし、間に関連したテーマの作品を挟むというのも面白いものでした。
そういった意味で☆5個です。
これを読むなら、『摩天楼の怪人』を間違いなく薦めますけどね。テーマとミステリのバランスも僕にとっては丁度いい具合なので。テーマとミステリが3対7ぐらいかな。そんな方には是非。ただ、ミステリとして大好きで大御所で先進的な作家の島田荘司氏のファンとしては、期待するものも大きく、がっくりしてしまいました。
しかし、最近のインタビューでなにやら大きなことを計画している
みたいで。というかデビュー?ぐらいからひそかにやっていたこと
らしいですが。『樹海都市』というキーワードでした。
これからも期待してますよ、先生!!!!
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帝都衛星軌道/島田荘司
いわゆる誘拐ものの表題作前後編に、「ジャングルの虫たち」という一見しても二見しても本筋とは直接関係ない短編が挟み込まれた、異色の構成のミステリ。帝都衛星軌道島田 荘司 講談社 2006-05-26売り上げランキング : 1288 .....
2007.04.12 | 黒猫の隠れ処



最近、マメに更新してるね(笑)
俺はブログよりそろそろ卒論に手をつけんとやばい気がして気がして・・・。
2006-08-28 11:41 | URL | 親友A [ 編集]