『夜市』 恒川 光太郎2007-02-19(Mon)
『夜市』 恒川 光太郎評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆(星8個)
あらすじ
何でも売っている夜市というものがある。それこそ、形のないものまで。主人公の祐司は幼い頃に、夜市で野球の才能を買った。代金は弟自身だった。
甲子園にも出場したが、罪悪感に苛まれ、堕ちていく。
そして、祐司は友人であるいずみを誘い、夜市へ行く。弟を買い戻すために。その先にある未来は…。
書き下ろし作品『風の古道』を収録
第12回日本ホラー小説大賞受賞作
書評
最初に目に付いたのは、すごくシンプルな文体だということ。
パッと見た感じでは、普通の文章なんですが、読んでみるとガラッと雰囲気は変わりました。
その一見普通な文章は、無駄な部分が削ぎ落とされて、「洗練」された文章なのです。
読み始めて、すぐにその世界に引き込まれてしまいました。洗練された文章から、雰囲気がプンプンと匂ってくるのです。
静で、暗く冷たい雰囲気がこんなに少ない文字から出てくるとは衝撃でしたね。
本を読んでいる部屋がその小説の世界に入っていくような感じです。
どっぷりはまるということはこういう感じではないですか?
もちろん、ストーリーも申し分なく面白いものです。
ですが、私はたった80ページにしかならないこの小説に秘められたパワーにやられました。
評価の星8個はこの本一冊の評価です。
『風の古道』も大変面白かったのですが、どうしても『夜市』の影に隠れてしまう印象でした。この二作のバランスがいまいちだったので星一個減らしました。あとは、次の期待も込めて辛めにもう一個減らしました。
夜市だけなら、申し分ないんですが。
期待のホープなので、これからが楽しみです。
まだ未読の方も良かったらどうぞ。
最近、雑食気味です。
色々なものに手を出している。
ホラーだったり、純文学だったり、SFだったり。
でも、ミステリが恋しくなってしまう。
やはり根付いているのだろうか。
次はミステリを紹介しようかな。
ではっ。
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最近マメやな(笑)
PS 姉上はあれからいかがですか??
2007-02-20 00:18 | URL | 雷王 [ 編集]